徹底解剖!賃貸オフィスとシェアオフィス(レンタルオフィス)の違いとは?
限られた時間の中で集中し、スムーズに成果を出すためには、仕事をする環境が非常に大切です。現代では、様々なオフィス形態が存在します。今回は、特に利用される賃貸オフィスとシェアオフィス(レンタルオフィス)の違いについて比較し、それ以外の種類のオフィス形態についても解説します。
賃貸オフィスとシェアオフィス(レンタルオフィス)の比較
契約形態
賃貸オフィスでは、賃貸借契約を締結します。
一方のシェアオフィス(レンタルオフィス)では、賃貸借契約を締結しません。その代わり、シェアオフィス(レンタルオフィス)運営会社とのサービス利用契約や施設利用契約を締結します。
つまり、シェアオフィス(レンタルオフィス)では、借地借家法や原状回復義務を原則適用されません。ただ、それらに該当する契約内容を運営会社との契約内容に含まれていることもあります。
初期費用
初期費用の違いは表を用いて解説します。賃貸オフィスは、一般的な例を紹介しています。シェアオフィス(レンタルオフィス)は新宿駅徒歩10分圏内にあるシェアオフィスを一例として挙げています。
賃貸オフィス | シェアオフィス(レンタルオフィス) | |
保証金・敷金 | 賃料の1~12ヶ月分 | 賃料の1ヶ月分 |
礼金 | 賃料の1~2ヶ月分 | 不要 |
前家賃 | 賃料の1~1.5ヶ月分 | 不要 |
前共益費 | 共益費の1~1.5ヶ月分 | 不要 |
仲介手数料 | 賃料の1ヶ月分 | 不要 |
火災保険料 | 1.5万~15万円 | 不要 |
保証会社利用料 | 賃料の50%~100% | 不要 |
そのほか | 1~3万円(鍵交換など) | 不要 |
表から分かるように、シェアオフィス(レンタルオフィス)のメリットは、初期費用を抑えられることです。創業期には、事務所にかかる費用を抑えたいもの。そのニーズに合っているのがシェアオフィス(レンタルオフィス)の魅力と言えるでしょう。
月額費用
月額費用についても、表で解説します。賃貸オフィスの金額は、東京都新宿区で比較的安価な10坪・約10名で利用できる物件を想定して算出しています。シェアオフィス(レンタルオフィス)は、5坪・約10名で利用できる物件を参考にしています。
賃貸オフィス | シェアオフィス(レンタルオフィス) | |
月額基本料金 | 160,000円 (一人当たり16,000円) | 240,000円 (一人当たり24,000円。ただし、共有スペースを考慮。) |
その他月額 | 水道光熱費、インターネット、費用など | 電話代行、郵便転送、会議室利用、コピー機利用、各種サービス利用など |
坪単価であれば、賃貸オフィスよりシェアオフィス(レンタルオフィス)の月額料金は割高となってしまいます。しかし、たとえ同じ10坪であっても、会議室・コピー機などを共有スペースで利用することにより、5坪のスペースを同じ人数(10名)で、純粋な執務スペースとして利用できます。また、シェアオフィス(レンタルオフィス)は、オフィス家具などの設備を無料で使用できるため、その分の差と考えてもいいでしょう。
また、その他の月額としてシェアオフィス(レンタルオフィス)でかかってくるのが、施設利用料です。会議室やコピー機などを利用する際に、使用した分だけ費用が発生します。
その他の違い
その他の賃貸オフィスとシェアオフィス(レンタルオフィス)の違いを解説します。
各オフィス形態の特徴とは
コワーキングスペースとは?
コワーキングスペースとは、一般的には共働ワークスペースのことです。事務所や打ち合わせをする場所など、スペースのみを共有しながらそれぞれ独立した仕事を行っている場所を指しています。
広々としたオープンスペースだけでなく、最近は個別ブースを設けているところもあります。
シェアオフィス(レンタルオフィス)とは?
複数の利用者が、同じ一つの空間を共有しているのがシェアオフィスです。コワーキングスペースとよく似ており、法律上の厳密な定義がある訳ではありません。
パーテーションなどで簡易にひとつひとつの空間を区切られているタイプや、個別ブースや個室を設けているタイプもあります。ある程度のプライバシーを確保したければ、個別ブースや個室のあるシェアオフィス(レンタルオフィス)を選びましょう。
設備面では、備え付けの家具や会議室、打ち合わせスペースなども用意され、選択肢は豊富です。
賃貸オフィスとは?
賃貸オフィスでは、自社のみで独占する物件で賃貸借契約を結び、業務を行います。
不動産業者などを仲介として空室を借りる形となるため、実際に始業するまでには時間と費用が必要となってきます。
まず物件を契約し、保証金や賃借料、仲介手数料などを支払い、オフィスの設備を整え、場合によってはLAN工事などをし、移転するという、初期の一連の作業が生じます。
バーチャルオフィスとは?
バーチャルオフィスとは、仮想空間の事務所を指します。
つまり、オフィスとしての個室や占有する空間を所有することなく、事業のみを行う場です。
そこで必要となる住所や電話、郵便物の受け取りと転送といったやり取りはできるよう、事務所の機能だけを用意しているサービスです。
中には、共有の会議室やデスクスペース、ロッカーを使えるサービスや、電話代行サービスなども存在します。
登記の必要のない場合に、おすすめできるオフィス形態です。
自分の働き方に合うオフィス形態とは?
仲間を見つけるなら、コワーキングスペースを
コワーキングスペースは、主に起業家やフリーランスが多く利用しています。直接、同じ仕事をしているわけではないものの、利用者同士が価値観を共有でき、交流や懇親が期待できる場でもあります。
そのため、セミナーやイベントなども積極的に行われており、入居者同士のコミュニティを築いているコワーキングスペースもあります。
さまざまな業種や仕事を持った利用者と知り合い、情報交換などもできるのが、コワーキングスペースの魅力といえるでしょう。
低コストで高機能なシェアオフィス(レンタルオフィス)
一般的なオフィスに比べるとはるかに低予算で利用できるのは、シェアオフィス(レンタルオフィス)の魅力のひとつです。ハイグレードな物件でも比較的割安に利用でき、初期費用も抑えられます。
業務で使いたい設備なども用意されているので、入居次第、すぐに仕事に取りかかることもできます。オフィスの管理などに煩わされず、業務に集中するにはうってつけです。
ただし、フリーアドレス制のオープンスペースを借りる場合には、機密の保持などは、あらかじめ某かの対策を立てておくほうがよさそうです。
また、レンタルオフィスに付随しているサービスも見逃せません。受け付けや秘書サービスなど、起業者のビジネスを後押ししているものが多いです。
起業時に信頼を築ける賃貸オフィス
起業時、重要なのが社会的信用です。資金調達を行う際にも企業の信用度を評価されます。賃貸オフィスは、自社でオフィスを確保していることで信用を得られやすいというメリットがあります。
一定規模以上の人数での業務を行うのであれば、賃貸オフィスが向いています。当然ですが、周囲を気にせず思い通りの内装の設計にすることも可能です。業務に合った使い勝手の良い内装、デザイン重視のスタイリッシュな内装など、自由に選べます。
ただし、家賃だけでなく敷金や、オフィス関連の家具など起業に必要なものなど、イニシャルコストがかなりかかるため、それらを準備しなければなりません。
オフィススペースが不要であればバーチャルオフィス
バーチャルオフィスが他のオフィスと一線を画しているのは、実際に作業する場が存在しない点です。
会社として機能する必要はあるものの、業務を行う場が自宅や取引先など他にある場合は、バーチャルオフィスが向いています。作業空間を利用しないため、バーチャルオフィスは比較的経費を抑えられます。フリーランスのみならず、会社を設立する際にバーチャルオフィスを利用する選択肢もあります。起業のステップを楽に踏む手助けとなりそうです。
まとめ
オフィスは、自分のビジネスの状況に合わせて適切な物件を選ぶことが大切です。特に独立開業時や起業時といったフェイズであれば、費用を抑えて利用できるシェアオフィス(レンタルオフィス)は、事業を進める手助けとなります。各オフィス形態の特徴を理解した上で、自分にぴったりの物件を探しましょう。