オフィスを借りるときにチェックしたい7つのポイント
起業家やベンチャー企業の方が、いざ仕事を始めるにあたって、まず必要となるのが働く場所「オフィス」です。そのオフィスをどのような場所にするのか、どのようなタイプにするのかでこれから先の仕事の展開が変わってくる場合もあります。
ですからオフィスを用意するためには、自分が仕事をしている姿を実際にイメージして、自分の業種に合っているのか、自分のワークスタイルに合っているのか、予算が合うのかしっかり考えることは重要なことです。
そこで今回は、満足のいくオフィスが手に入れられるよう、始めにチェックしておきたい7つのポイントをまとめました。
オフィスを借りる前に、どのような場所でどのように仕事をしたいのか、具体的に思い浮かべながら、さっそくチェックしていきましょう。
まずはワークスタイルを整理して考えること
まずはワークスタイルを棚卸ししてみましょう。それによって今必要なオフィスが見えてきます。
1.オフィスを使いたい頻度・時間帯は
オフィスで仕事する頻度を思い浮かべてみてください。週のうちのほとんどをオフィスで過ごす予定でしょうか。それとも日中は別の会社に勤め、通勤帰りにオフィスに寄って起業した自分の業務をこなす予定でしょうか。
オフィスでかなりまとまった時間を使うつもりなら、専有や個室のあるレンタルオフィスや賃貸オフィス、また他の人と仕事場を共有するシェアオフィスという選択肢もあります。そうではなく、会社勤めの後に週に1~2回短時間仕事ができるオフィスを手に入れたいのであれば、時間貸しタイプで借りられるシェアオフィスやレンタルオフィスが向いています。
また、夜遅くまで仕事をしたい、夜型なので夜中開いてるオフィスがいいというのなら、 24時間稼働しているタイプのオフィスを探さなくてはいけません。
2.何人でオフィスを使いたい?
まずは1人で仕事を始めるのでしょうか?それとも仲間と一緒に始めるのでしょうか?
オフィスで実際に仕事にあたるのは何人ですか?あなたが始める仕事の規模、オフィスにいる人数によって、用意すべき仕事場が変わってきます。
デスクを使って仕事をこなすのが自分1人であれば、さまざまなタイプのオフィスがマッチングします。シェアオフィスであってもコワーキングスペースであってもよし、個室のレンタルオフィスであってもよし。選択肢は豊富です。
共に仕事をする人数が複数人となる場合は、オフィスの種類が絞られてきます。シェアオフィスやコワーキングスペースだと、まったく別の業種の人々もごく近くで仕事をしている環境のため、自分たちだけで仕事を進めづらい面も出てくるかもしれません。
特に、人数が増えれば増えるほど、個室または専有タイプのレンタルオフィスや従来の賃貸オフィスの方が使いやすくなるでしょう。
3.静かな場所で集中したい?人と繋がりたい?
仕事の性質や作業をするスタンスはどうですか?個人で仕事に集中したいから、静かな環境が必要でしょうか。それとも、むしろ周りに他人がいて静まり返っていないほうが集中できるでしょうか。はたまた異業種や同業種問わず、さまざまな仕事人と知り合って情報交換をしたり、そこから人脈も広げていきたいと感じているでしょうか。
騒々しいと仕事の能率が落ちるので、静かに集中したいのであれば、個室タイプのレンタルオフィスがニーズに合います。シェアオフィスであっても、完全なオープンタイプではなく、デスク周りがちょっとしたパーテーションで区切られているオフィスもあるので検討してみましょう。
1人での作業に没頭したいわけではなく、人との新たな繋がりを望んでいるなら、デスクスペースも共有するコワーキングスペースや、交流会なども開かれることのあるシェアオフィスなどが良さそうです。
立地についてのチェックポイント
オフィスを借りるにあたって、立地も重要なポイントとなってきます。
4.通勤のしやすさは?
自宅でもできるのにあえて仕事場をオフィスに移すというのであれば、通いやすい仕事場であることが一番と言えるでしょう。
通うのに時間がかかったり不便な場所にオフィスを借りてしまうと、せっかくのオフィスへの足がだんだんと遠のいていってしまうかもしれません。
5.そのエリアは自分の職種・業種のイメージに合ってる?
では、借りるオフィスは自宅から近ければ近いほど いいのかと言われると、職種・業種によってはそうとは言い切れないこともあります。
自分の業務の先には、当然ながら取引先が必ず存在します。普段の仕事は自分1人で対応するにせよ、顧客や取引先とのやりとりは欠かせません。
そのような時、自分のオフィスに相手方を招いて打ち合わせをしたり、書類や成果物の受け渡しをする場面もあるかもしれません。オフィスまで来ていただくことがないにせよ、自分のオフィスの連絡先として住所を公表することは想定できます。
その住所はあなたの業種のイメージにあっているでしょうか?例えば弁護士や税理士と言った士業の方は買い物やレジャーのイメージが強いエリアより、少し高級感があったりオフィス街を思い浮かべることができるエリアにあるほうが顧客の信頼に繋がりますし、クリエィティブな職種の人は、やはりおしゃれなイメージのエリアに住所がある方が仕事に繋がりやすいかもしれません。
人は、場所に対するイメージを持っているものです。まったく来客のない仕事ならあえて、あまり知られていない場所を選んで、人の興味を引くことが有効な場合もあるかもしれません。
予算についてのチェックポイント
6.費用の目安を把握しよう
オフィスを借りる上で忘れてはならないのが、何といっても予算との兼ね合いです。 売上とのバランスに見合った予算内でのオフィスを探さなくてはなりません。
オフィスにかかる費用の上限はどのくらいなのか、月額での試算をしておきましょう。仕事の場所代は変動のない固定額となるので、あまり無理の生じない範囲で考えたほうがいいかもしれません。
大まかに言って、費用は賃貸オフィスのほうがより多くかかり、シェアオフィスのほうが
少なくすむ場合がほとんどです。
現在のビジネスのボリュームに合った予算を割り出して、オフィスの種類を設定してみましょう。
7.環境や設備にもお金はかかる
もしも賃貸オフィスをと考えているなら、初期経費について慎重に見積もってみましょう。 他のオフィスとは異なり、月々の家賃の他に敷金や保証金が必要となりますから、それが何カ月分と設定されているのか、具体的な金額を出すことが大切です。
まずは希望のエリアの家賃の相場を調べて把握しましょう。また、オフィスの維持管理費としては、電気料金や通信料、共益費や更新料も支払わなければなりません。
一方、シェアオフィスやコワーキングスペースの場合は敷金等が不要の場合が多いため、初期費用を抑えることができます。ただし、管理費などがかかることもありますので各施設への確認が必要です。
また、大抵のシェアオフィスやコワーキングスペースでは共有の執務スペースの用意があるので、自前で設備を工面する苦労がほぼありません。
まとめ
7つのチェックポイントに沿って、オフィスの具体的なイメージが仕上がってきましたか?現在の仕事へのイメージやニーズに合った、ムリやムダのないオフィスを用意して、より快適に業務を進めていきたいものです。そしてこれから先には、また少しずつ仕事場に求めるイメージや状況が、おそらく今とは変わっていくと思われます。もしその段階が来たら、もう1度、ワークライフについて棚卸をし、要望の満たせるオフィスに借り換えることを検討しましょう。