シェアオフィスも対象!家賃支援給付金の概要や申請方法、注意点について解説

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賃貸オフィスやシェアオフィスを利用している方の中には、賃料の支払いで資金繰りに窮している方がいるかもしれません。経済産業省が主体となって各事業者を支援する「家賃支援給付金」の申請受付が、2020年7月14日より始まります。この制度は、賃貸オフィスやシェアオフィスを利用する事業者の他、個人事業主やフリーランスも対象となります。今回は、家賃支援給付金の給付条件、給付額、注意点などについて解説します。

(※本稿は、2020年7月13日時点の情報を基に執筆しています。)

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最大600万円支給!家賃支援給付金とは?

家賃支援給付金とは、新型コロナウイルスによる「緊急事態宣言」の延長などにより、苦境に立たされている事業者を支えるため、経済産業省が主体となり、地代・家賃(賃料)の負担を軽減する給付金を支給するものです。

家賃支援給付金の支給対象者・給付額

支給対象者および給付額を解説します。

【支給対象者】
給付金は、以下4つの条件を満たす事業者に対して支給されます。

1. 資本金10億円未満の中堅企業や、中小企業、小規模事業者、フリーランス含む個人事業者
(※医療法人、農業法人、NPO法人、社会福祉法人など、会社以外の法人も対象となる)

2.2020年5月〜12月の売上高について、いずれか1ヶ月が前年の同月と比べ50%以上減少しているもしくは連続する3ヶ月の合計で前年の同じ期間と比べ30%以上減少している

3.自らの事業のために占有する土地・建物の賃料を支払っている

4.賃貸契約が、2020年3月31日時点および申請時点で有効である

2の売上高について一例を挙げると、

・単月の場合
2019年6月の売上高が1000万円、2020年6月が400万円(50%以上減)

・連続する3ヶ月の合計の場合
2019年5月〜8月の合計が3000万円、2020年5月〜8月が2000万円(30%以上減)

といった場合に対象となります。

【給付額】
最大で法人600万円、個人事業主300万円を一括支給します。給付額は、申請時の直近1ヶ月における支払賃料(月額)から算出した金額の6倍です。

支払賃料(月額) 給付金(月額)
法人 75万円以下 支払賃料×2/3
75万円超 50万円+[支払賃料の75万円の超過分×1/3]
※上限は100万円(月額)
個人事業主 37.5万円以下 支払賃料×2/3
37.5万円超 25万円+[支払賃料の35万円の超過分×1/3]
※上限は100万円(月額)

・法人で直近1ヶ月における支払賃料が90万円の場合
75万円超の算出となります。

50+(90-75×1/3)=55
55×6=330(万円)

・個人事業主で直近1ヶ月における支払賃料が15万円の場合
37.5万円以下の算出となります。

15×2/3=10
10×6=60(万円)

家賃支援給付金の申請方法・必要書類

申請方法と必要書類について解説します。

【申請方法】
申請の受付期間は、2020年7月14日〜2021年1月15日までです。
※電子申請の締切は、2021年1月15日24時まで。

家賃支援給付金のホームページにアクセスする
1.申請ボタンをクリックし、メールアドレスなど必要事項を入力する
2.入力したメールアドレスに届いたメールを確認し、内容にしたがって登録を進める
3.ID・パスワードを入力し、マイページにアクセスする
4.マイページから必要書類のデータを添付し、申請を行う

申請内容に不備があった場合は、メールアドレスとマイページにその旨の連絡が入ります。

【必要書類】
変更・追加の可能性もありますが、主に4つの書類を用意します。

1.賃貸借契約の存在を証明する書類(賃貸借契約書など)
2.申請時の直近3ヶ月分の賃貸支払実績を証明する書類(銀行通帳の写し、振込明細書など)
3.本人確認書類(運転免許書など)
4.売上減少を証明する書類(確定申告書、売上台帳等)

(※本人確認書類および売上減少を証明する書類は持続化給付金と同様)

シェアオフィス利用者における家賃支援給付金

新型コロナウイルスの影響でリモートワークなどが盛んに行われるようになり、これまで使用していた賃貸オフィスから、シェアオフィスに縮小移転を選ぶ事業者も増えています。

シェアオフィスの賃料も対象

家賃支援給付金は、シェアオフィスの賃料も対象となります。対象となる業種の範囲は、条件や絞り込みはありません。基本的にすべての業種の方が給付金を受け取ることができるでしょう。

ただし、申請時には、賃貸借契約の存在を証明する書類を用意する必要があります。シェアオフィスは、一般的に契約者の占有スペースがありますが、「賃貸借契約」を結んでいないケースもあるかもしれません。結んでいない場合の例外規定が今後設けられる可能性もありますが、現時点では賃貸借契約の存在を証明できる書類を用意しておきましょう。

ちなみに、バーチャルオフィスは、契約者の占有スペースがないのが通常あるため、範囲の対象外となります。

個人事業主やフリーランスも対象

前述の通り、個人事業主やフリーランスも支給対象者となります。個人事業主やフリーランスの場合は、2019年以前から事業収入を得ており、今後も事業を継続する意思があることも条件となります。

シェアオフィス利用者の申請時の注意点

注意点について、いくつか解説します。

・賃貸借契約がない場合は別途書類を準備する

シェアオフィスで賃貸借契約ではなくサービス利用契約などを結んでいる場合、「賃貸借契約等証明書」を作成し、提出する必要があります。この書類は、貸主に記入してもらう項目もあるため、前もって準備しておきましょう。また、賃貸契約が2020年3月31日時点および申請時点で有効であることを示す必要もあるため、「契約期間」の記入に注意してください。

・申請から給付金の受取までに期間がある

7月14日に受付を開始してから、支給開始の時期は7月下旬以降としています。申込者が集中した場合、申請から支給までに3週間〜1ヶ月以上の期間を要す可能性もあります。この期間中の資金繰りには注意すべきでしょう。

・支払賃料(月額)の対象範囲に制限がある

給付金を算出するための、支払賃料の対象は下記となります。共益費および管理費が、賃料について規定された契約書と別の契約書で規定されている場合、給付額算定の対象に含まれないため、注意が必要です。

対象 対象外
契約 ・賃貸借契約 ・売買契約
費用 ・賃料
・共益費・管理費
・左記以外の費用・支出

例)
・水道光熱費
・減価償却費
・保険料
・修繕費
・動産の貸借料、リース料
・契約関連費用 (更新費、礼金、解約違約金など)
・敷金・保証金
・テナント会費 など

・減額や免除を受けていない賃料で申請する

給付額は、申請時の直近1ヶ月における支払賃料(月額)から算出されます。6月に賃料の減額を受け、7月に申請した場合、減額後の賃料に基づいて給付額が算出されることとなります。つまり、申請時の直近1ヶ月の賃料が減額や免除を受けていた場合、給付額は通常の賃料より少なくなってしまいます。資金繰りのため、申請に急を要すこともあるかもしれませんが、事前にこのことを理解しておきましょう。

・貸主が親会社、家族の場合は給付対象外

次の3点、いずれかに当てはまる場合、給付の対象外となってしまいます。

・借主と貸主が親会社・子会社の関係にあること
・借主と貸主が親子または夫婦であること
・「また貸し」を目的とした賃貸仮契約を結んでいること

レアケースではありますが、給付対象外となっていないか注意して下さい。

緊急時には早めの申請を

「家賃支援給付金」の制度概要についてご理解いただけたでしょうか。事業の資金繰りに困窮している場合は、できるだけ早めの申請を行いましょう。ただし、申請から給付までには数週間以上の期間を要すため、その間の支払い猶予を交渉する必要があるかもしれません。

【参照サイト】
家賃支援給付金 に関するお知らせ|経済産業省
家賃支援給付金申請要領(中小法人等向け)|経済産業省
家賃支援給付金申請要領(個人事業主等向け)|経済産業省

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