シェアオフィス登記可能に 外国人起業家ビザ緩和について

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日本は世界の人たちから見て依然として規模の大きいマーケットです。
そのため、外国人の中には「日本で起業してみたい」と考えている人は少なくありません。しかし、これまで外国人にとって高いハードルになっていたのがのが在留資格(ビザ)でした。
それが、2015年の入国管理法改正により「投資経営ビザ」が「経営管理ビザ」に変わったことで、要件は大きく緩和されました。

それにより、外国人も「シェアオフィスでの法人登記が可能」になりました。。これは外国人起業家にとっては画期的なできごとと言えるでしょう。
この記事では外国人起業家のビザ緩和、シェアオフィスの登記や利用の高まりについて解説します。

外国人起業家が日本で経営するために必要なビザについて

外国人が日本に入国する場合には、基本的には在留資格(以下ビザと呼びます)が必要です。
入国の目的によって必要とされるビザは異なりますが、日本で起業をする際には「経営管理ビザ」というものが求められます。
平成26年の法改正までは「投資経営ビザ」という名称で、外国人は日本で企業活動をする際には「投資をする」ということが前提でした。しかし、外国人が日本で起業し会社を経営することもありうることから、新しい在留資格として「経営管理ビザ」というものが新設されました。

経営管理ビザが下りるための条件

では、経営管理ビザが下りるためにはどのような条件が必要なのでしょうか。
「出入国管理及び難民認定法(以下、入国管理法)」は、7条1項2号および別表で省令で在留資格を定めることにしており、これを受けて「出入国管理及び難民認定法第七条第一項第二号の基準を定める省令」において経営管理ビザを取得するには次のような要件を必要としています。
一 申請に係る事業を営むための事業所が本邦に存在すること。ただし、当該事業が開始されていない場合にあっては、当該事業を営むための事業所として使用する施設が本邦に確保されていること。
二 申請に係る事業の規模が次のいずれかに該当していること。
 イ その経営又は管理に従事する者以外に本邦に居住する二人以上の常勤の職員(法別表第一の上欄の在留資格をもって在留する者を除く。)が従事して営まれるものであること。
 ロ 資本金の額又は出資の総額が五百万円以上であること。
 ハ イ又はロに準ずる規模であると認められるものであること。
三 申請人が事業の管理に従事しようとする場合は、事業の経営又は管理について三年以上の経験(大学院において経営又は管理に係る科目を専攻した期間を含む。)を有し、かつ、日本人が従事する場合に受ける報酬と同等額以上の報酬を受けること。
この1号の規定について、これまでは日本で会社を設立していることが必要だったのですが、改正により事業が開始されていない時点から経営管理ビザが下りるように条件が緩和されました。

従来1号の「事業所」にあたるとして許可をもらうためには

この許可の要件としての「事業所」ですが、入国管理法の運用を担当している法務省はどのように考えているのでしょうか。
まず、総務省が定める日本標準産業分類一般原則第二項において、「事業所」とは「経済活動が単一の経営主体のもとにおいて一定の場所すなわち一区画を占めて行われていること。」「財貨及びサービスの生産又は提供が,人及び設備を有して,継続的に行われていること。」の2要件を定めています。
経営管理ビザは、経営者として継続的に日本で事業を営むことを前提に発給するため、「事業所」としての許可を出すためにはより厳格に判断しなければならないと考えており、

  • 月単位の短期間賃貸スペース等の利用
  • 容易に処分可能な屋台等を利用したりする場合
にはビザを発給することはできないとされていました。
(参照:法務省「外国人経営者の在留資格基準の明確化について」http://www.moj.go.jp/nyuukokukanri/kouhou/nyukan_nyukan43.html
この考え方によると、通常のシェアオフィス等での起業は認めないというのが従来の方針でした。

オフィスの在り方が多様化する中で要件が緩和されることに

現在ではオフィスの在り方が多様化しています。外国人に対して従来の法律でオフィス要件を課すと、連帯保証人を要求されるなどにより、外国人起業家の日本進出を妨げることになります。
そこで、法務省と経済産業省は本運用を見直すことにし、以下の要件のもと「シェアオフィス・コワーキングオフィス」での法人登記をする企業に投資・経営ビザの発給要件を満たすことにしました。

  • ジェトロの対日投資支援認定企業であること。
  • 日本での起業時(登記で確認)から3年未満の申請であること。
  • 事業所として利用するコワーキングスペース等の所在地に登記していること。
  • 当該コワーキングスペース利用期間中の就労時間について、一定の場所の利用保証があること。
  • 日本で起業した日から3年経過する日が1年以内に到来する申請においては、新たな事業所の確保が見込まれること。
  • 特例措置の適用を受ける者は原則1企業につき1名であること。
(参照:日本貿易推進機構(ジェトロ):https://www.jetro.go.jp/invest/newsroom/2018/51ea97a1bdcc128c.html)

外国人が起業しやすい環境を整える国の対策とは

平成30年6月15日に閣議決定した「未来投資戦略2018」において、国の方針として高度外国人材の積極受け入れが表明されました。起業準備をする外国人起業家のための在留資格を最長1年間付与するとともに、国内での起業の相談体制、支援施策を実施するとしています。つまり外国人が日本で起業しやすい環境がこれからますます整備されるということです。

外国人起業家の利用を想定したシェアオフィスが拡大

オフィスイメージ

スタートアップベンチャーやシニアのプチ起業などの増加を受けてシェアオフィスの需要が拡大しています。

この流れは日本人だけでなく、外国人起業家にも伝搬していくと考えられます。外国人起業家が国内で賃貸オフィスを借りるのは依然としてハードルが高いです。保証人の問題もありますが、敷金礼金、保証金などの初期コストも重くのしかかります。その点、シェアオフィスならば低コストでスタートアップすることが可能です。

このことから、今後ますます外国人のシェアオフィス利用が高まっていくでしょう。その需要の高まりを受けて、シェアオフィスの運営会社もフロント対応や電話秘書など「外国語対応」が標準的なサービスになっていくことが予想されます。

JUST FIT OFFICE Magazine Editorial Department

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