
オフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースを内覧する際に押さえておきたいチェックポイントを、一般的な賃貸探しとの違いを含めて解説します。
オフィスやシェアオフィスと一般的な賃貸探しの違い
オフィス用の物件探しは、住宅用の賃貸物件とは異なります。オフィス用の物件探しで特に重要なのは、場所。飲食店に限らず、事業を成功させるために重要です。
まず、希望のエリアから絞っていきましょう。探す範囲が広いと、情報収集に手間がかかり、良い物件に巡りあっても、他に目移りしてタイミングを逃すかもしれません。この段階では、希望の最寄り駅を第1候補~第3候補まで絞っておきましょう。
次に、希望エリアでオフィスを扱う不動産会社に連絡します。注意点は、必ず不動産会社の「オフィス用」受付窓口に連絡すること。同じ賃貸であっても、居住用とオフィス用では担当している不動産会社が異なります。誤って居住用を取り扱っている不動産会社に連絡してしまうと、不慣れで手続きに時間がかかってしまうかもしれません。必ず事前に、オフィス用物件を取り扱っている不動産会社へ連絡しましょう。シェアオフィスやコワーキングスペースを希望する場合には、「JUST FIT OFFICE」などを利用して管理会社へ問い合わせます。
賃料やアクセス、間取りなど希望を踏まえ、条件を満たす物件をいくつかピックアップしましょう。居住用の賃貸物件は、内覧時に確認する項目はさほど多くありません。しかし、オフィス用の賃貸物件は、物件の設備や条件が業務に大きく影響を与えるため、細かな点まで確認をしなければなりません。実際に内覧に行く際には、後述のチェックポイントに従って、「内覧チェックシート」を作成しておくと、当日がスムーズなのでおすすめです。
オフィス・シェアオフィス内覧時のチェックポイント
エントランスの内覧ポイント
エントランスは、言わば会社の顔となるフロア。ビルの外観と同様に、お客さんを招く上で企業のイメージを左右する重要な空間です。どのような企業イメージを持ってもらいたいかを考えた上で、チェックしてみましょう。
・エントランスの構成要素
素材、色合い、明るさ、広さ、天井の高さなどがエントランスの印象を構成する要素です。こういった要素から総合的に印象や雰囲気を判断されます。シャープでスタイリッシュな空間、温かみのある空間、吹き抜けで解放感のある空間、ダウンライトで高級感のある空間、ホワイトを基調とする清潔感のある空間、どういった空間に演出をしたいかを決めましょう。
室内の内覧ポイント
室内の内覧は、家具や機材をどう配置するかのオフィスレイアウトを考えながら進めましょう。シェアオフィスやコワーキングスペースは、基本的にオフィスレイアウトが決まっているため、利用のしやすさという観点でチェックします。
・室内設備
天井の照明、空調、火災報知器、スプリンクラーの配置を確認します。オフィスのパーティションや間仕切りを使い、個室や応接室を設ける上で、重要になってきます。「天井の照明が邪魔で思うように間仕切りを立てられない」といった事態にもなりかねません。
壁面の梁は、背の高い家具や機材を配置する際に、接触する恐れがあります。梁を考慮に入れた高さを確認しておきましょう。オフィスビルであれば、およそ300kg/㎡まで重量物を置いても問題ありません。しかし、マンションタイプなどフローリングであれば、金庫やコピー機といった重量物を置けないこともあります。
・室内環境
日当たりや窓、眺望は、オフィスの光熱費を左右します。日当たりが良ければ、必要以上に証明を点ける必要もなく、窓の開放で室温を調整して空調による電力消費を抑えることができます。また、眺望の良さは従業員のモチベーションにも関わります。窓からの眺望がビルの壁面のみでは、気分転換もしにくいでしょう。シェアオフィスやコワーキングスペースは、室内のどの位置を借りるかによって変わってくるでしょう。また、音は、業務パフォーマンスにとって大切な要素です。周辺に歓楽街などがあると、騒音で仕事の集中を妨げるかもしれません。
ネットワーク状態は、室内に限らず、業務に使用する可能性のある場所でスマートフォンやWi-fiなどを確認しておきましょう。利用する携帯会社によってネットワーク状態が変わる可能性もあります。無線LANの導入されている物件であっても、利用者が多いと通信速度が遅く、結局自分のWi-fiを使う必要も。
・その他の設備
シェアオフィスやコワーキングスペースでは、既に備え付けられている設備もあります。インターネット環境、電気・水道、固定電話、エアコン、キッチン、食器、調理器具、フリードリンク、会議室などがあるか確認しておきましょう。

共有部分の内覧ポイント
共有部分の管理は、基本的に管理会社によって行われます。そのため、管理会社がどの程度管理を行っているのかを判断するバロメーターともなります。
・管理状況
管理会社が信用に足る会社か(可能なら事前に)調べておきましょう。いい加減な管理をされては、後々のトラブルの原因にもなりかねません。管理人は、常駐か、一定時間の滞在か、完全な無人かも確認します。管理人が常駐していれば、何かトラブルのあった際、すぐに対応してもらえるでしょう。
建物によっては、入退館のできない時間帯を設けている物件もあります。特にシェアオフィスやコワーキングスペースは、利用時間を定めている場合が多いです。仕事上不都合が生じないか、生じた場合に対処可能かも含めて確認しておきましょう。
建物の修繕状況もチェックしましょう。賃貸で支払う金額には、基本的に管理費を含んでいます。古くなった箇所を適切に修繕しているか、管理体制を確認できます。特にエレベーターホール、トイレ、給油室、メールボックス、ゴミ置き場といった、普通ならあまり見られない場所まで管理が行き届いているか確認しましょう。駐車場についても通勤に自動車、バイクなどを使用する場合には、駐車場を利用できるか確認しておきましょう。
セキュリティについても、玄関のオートロック、監視カメラの設置、出入りする業者の管理など、適切に行われているかをチェックします。非常時の避難経路がきちんと確保されているか、安全面の管理がなされているかもチェックしておきましょう。
・コミュニティ
シェアオフィスやコワーキングスペース限定ですが、他にどういった企業が入っているのかも重要です。つながりを持つことでビジネスチャンスにつながるかもしれませんが、言わばご近所さんとして問題なくお付き合いできるかもチェックしましょう。
周辺環境
実際の物件に向かう道のりで、周辺環境もチェックしておきましょう。
・周辺施設
業務を行う上で使用するビジネスライフラインへのアクセス、混雑度合いなども考慮しておきましょう。カフェでの打ち合わせ、郵便局や銀行へ手続きを行うこともあるでしょう。また、急な体調不良で行けるクリニック、息抜きの喫煙所や公園、セミナーなどを行う貸会議室、ランチや接待用途の飲食店なども、必要に応じて確認します。オフィスに駐車場がない場合、コインパーキングを利用する場面もあるでしょう。オフィス周辺にコインパーキングがあるかをチェックしておきましょう。
・アクセス
自宅からオフィス最寄り駅までの移動時間や混雑具合をチェックしておきましょう。可能なら通勤ラッシュを避ける、車やバイクでの通勤が賢明でしょう。最寄り駅からオフィスまで、徒歩で何分かかるかも確認しておきます。来客時に電話やメールで案内するかもしれないので、距離感や道順を予め把握しておきましょう。また、顧客先へ出向く場合、どれくらい時間がかかってくるかも考慮に入れましょう。取引先が遠いと不便です。顧客の集中している地域があれば、その周辺にオフィスを構えてもいいでしょう。
・治安の問題
オフィス周辺の治安についても確認しておきましょう。女性など、働く社員の安全やモチベーションにも影響します。また、歓楽街のど真ん中にオフィスを構えると、お客さんにマイナスの印象を与えてしまうかもしれません。
まとめ
オフィスやシェアオフィス、コワーキングスペースと、一般的な賃貸では内覧でチェックするポイントが大きく異なります。事業を成長させるために最適な物件を探してみてください。

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