総務省が推進するテレワークの現状と今後のまとめ

040428

政府が推奨しているテレワークは、新しい働き方として注目を浴びています。情報通信技術が発達したことによって、場所や時間にとらわれない働き方が出来るようになりました。

また、テレワークに関する助成金なども登場してきている状況です。しかし、助成金に関しては一定の要件をクリアする必要があり、誰でも受けられるわけではありません。

そういった事情も踏まえたうえで、ここでは、テレワークの現状と今後及び助成金について考察していきましょう。

テレワークとは

テレワークは、ネットワークなどを活用して勤務を行う新しい働き方の事です。在宅勤務やモバイルワーク、勤務先ではないオフィスを活用するサテライトオフィスでの勤務を含みます。

テレワークは、英単語の tele(遠方)とwork(仕事)を合わせた造語です。総務省では、「 ICT (情報通信技術)を活用した。場所や時間にとらわれない柔軟な働き方」と定義しています。ちなみに、テレワークを活用した働く人々をテレワーカーと呼びます。

例えば、テレワークを活用した場合、妊娠や育児などによって通勤が困難な人が働くことが可能となり、バックオフィスなどの管理部門の業務を分割したうえで、自宅で行える業務を任せるなど新しい業務体系を作ることが可能です。

また、カスタマーサービスなどのサポートなどについてもテレワークを活用して業務を行うことが可能であり、自宅だけでなくあらゆる場所で業務を行うことができることから企業にとってもメリットの大きい働き方と言えるでしょう。

(参考:総務省 「テレワークの意義・効果」 http://www.soumu.go.jp/main_sosiki/joho_tsusin/telework/18028_01.html

テレワークに関わる助成金

テレワークは総務省で推進している事業の1つであり、助成金を活用してテレワークを導入した企業もあります。では、様々な助成金があるなかで、ここでは総務省が実施しているテレワークに関する助成金制度を見ていきましょう。

ふるさとテレワーク

都心から離れた地方などであっても、都心と変わらない仕事の環境を整えたうえで労働を行う為の制度。制度を活用した場合、優秀な人材が都心部に集中するといった現状を変えるための取り組みであり、地方の活性化や労働者が自分の望む形で労働を行うことが可能となります。

また、ふるさとテレワークはテレワークを行う拠点などに対して新たにオフィスを設置するなどの順実が必要となり、その費用の一部を負担するというものです。

ふるさとテレワークを活用する場合、総務省の公募に対して、提案書を提出する必要があり、書類審査などを経て支援が決定されることになります。

また、要件に関してもある程度決められており、以下の地域を除く必要があります。

  • 首都圏:既成市街地及び近郊整備地帯
  • 中部圏:首都圏、中部剣、近畿圏の近郊整備地帯として定められた名古屋市内の特定区域
  • 近畿圏:近畿圏整備法による規制都市区域
  • そして、経費を補助率もある程度決まっています。業務を行うに当たっては、経費が発生することになり、人件費や事業費なども経費として計算することが可能です。

    ふるさとテレワークではこれらの経費に対して、
    ・経費の2分の1
    ・上限3,000万円
    といった限度額が設定されていることには注意が必要です。

    まちごとテレワーク調査事業

    総務省が実施する地方の課題や特徴を踏まえた上でテレワークの普及をサポートするための調査事業。公募式であり、人材の流出防止や雇用の創出などを促すための調査を行い、政府が地方自治体とともにテレマークを推進するための方策を考えるというものです。

    総務省が支援する助成金は今後も増加していく可能性があります。その上で、助成金を使用してテレワーク制度を作るといった新しい取り組みが加速する可能性は十分にあると言えるでしょう。

    テレワークの現状

    総務省の情報通信白書によれば、従業員300人以下の企業でテレワークをすでに導入しているのは3%ほどしかありません。しかし、テレワーク導入可能群21.4%の企業とテレワーク準可能群34.7%の企業のパーセンテージを考えると、50%以上の企業が何らかの形でテレワークの導入を検討していることがわかります。そのため、現状ではテレワークをすでに導入している企業は多くはないものの、将来的にはテレワークを何らかの形で導入したいと考えている企業は多いと言えるでしょう。

    また、テレワークの導入に関しては、課題として社内の制度に重点を置いているものが多いことがわかっています。労務管理や人事評価など、会社の体系から外れることによって、どのような評価や管理が行えるのかといった内部の就業規則が固まっていないと予想可能です。加えて言えば、テレワークの導入や運用などに関わるコストを気にしている企業が多く、実際の導入に至るまでの課題解決が自社で行いていないといった問題が見えてきます。

    テレワークの今後

    テレワークを導入することによって、会社を辞めざるをえなかった優秀な人材が労働市場に戻ってくることが可能です。そのため、テレワークが今後あらゆる企業広がっていけば、会社を辞めざるをえなかった人材などが離れた場所にいても企業を支えることが出来るでしょう。

    また、テレワークを実施することによって、労働力を確保するだけでなく、柔軟な働き方が可能となるため、企業の業務だけでなく、ライフワークバランスを保った働き方も可能となるため、労働者の負担は減少することになります。

    加えて言えば、テレワークを導入することによって生産性が向上することが見込めます。日本全体について言えば、日本の従来の働き方による生産性は先進国の中では非常に低く、このままの働き方では生産性だけでなく、世界に対する競争力を失っていくと言っても過言ではありません。

    そういった事態を防ぐためにも、政府としてテレマークを推奨しており、現在テレワークを導入している企業は13%前後ではあるものの今後増加していくことが予想できるでしょう。また、企業の枠組みにとらわれない働き方が増加していることも含めて、テレワークの推奨によって企業との雇用関係も新しい形が生まれつつあります。

    そのため、オフィスを必要としなくても、業務を行える環境が整いつつあり、特に大企業にいたっては、テレワークの制度が進みつつあります。そのため、中小企業などにおいても大企業の影響を受ける可能性があり、政府による支援も含めた上で今後テレワークの制度を活用する企業は増加していくと予想可能です。

    また、課題となっているコストや社内制度のほかに、自宅で勤務できるといった新しい働き方を多くの人々が認知していないといった事実があります。実際、就労者のテレワークの認知度は5割以上が「聞いたことがない」といった認識であることから、まだまだ制度そのものを日本全体に広めることと企業の体質に関して改革が必要だと言えるでしょう。

    しかし、日本を代表する企業がテレワークを実施し、政府がその制度を後押しすることで、中小企業もテレワークを制度として取り入れるといった流れができる可能性は十分にあります。そのため、今後もテレワークはその比率を徐々に増やしていくでしょう。

    まとめ

    テレワークは、新しい働き方であり、政府としても助成金などを用いて支援しています。離れた場所にいたとしても就労者が企業の業務を支援することが可能であり、様々な課題はあるものの、企業としての生産性を上げるといった面ではメリットの方が大きいのは事実です。

    テレワークの現状を把握しつつ、今後テレワークによってどのように変わっていくのか注目していきましょう。

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    JUST FIT OFFICE マガジン編集部
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