こんな職種の人もシェアオフィス/コワーキングスペースを使っています
テレワークやリモートワークの促進、フリーランスの増加などにより働き方が多様化するなか、近年、注目度が高まっているのがシェアオフィスやコワーキングスペースの活用です。 起業家やスタートアップ、フリーランスで働く方を中心に利用されることが多いイメージですが、実際にどんな職種の方が利用しているのでしょうか?
ここでは、実際に利用者が多い職種を中心に、どんな職種にシェアオフィスやコワーキングスペースがマッチするのか考えてみます。
シェアオフィス/コワーキングスペースの利用者層は?
シェアオフィスやコワーキングスペースの利用者と聞くと、若手の起業家、フリーランスのWebデザイナーやライターなど、自由度の高い職種の方、若い方というイメージを持つかも知れません。しかし実際には、非常に多彩な職種の方が利用しており、年代も20~60代までと幅広いです。
どんな職種の方がシェアオフィスやコワーキングスペースを利用しているか紹介していきます。
コンサルティング業
まず一つ目は、コンサルティング業を営む方です。
コンサルティング業は、専門ジャンルにもより異なりますが、企業の上層部と対面する機会が多く、これまでの経験や実績に加え、信頼感が大きく問われる職種です。そのため、オフィスのある住所も、クライアントからの印象を左右する大きなポイントになります。
シェアオフィスやコワーキングスペースは、都内であれば丸の内エリア、品川エリアといった優良企業が多く集まるビジネス街にあることが多いため、そこを借りてオフィスとして設定することができます。
HPや名刺に一等地の住所を記載できるので、クライアントの信頼感が得やすいという大きなメリットがあります。住所を法人登記できるサービスもあるので、公的な資料にも記入可能です。
交通アクセスのよい立地であれば、クライアントを招きやすいという利点もあります。内容に応じて、オープンな打合せスペース、または個室の会議室を借りての打合せができます。
また、自分の専門分野のセミナーなどを開催したいというときにも、プロジェクターやマイクを備えた小規模のセミナールームを併設しているシェアオフィスに入居していれば、毎回会場を探すこともなくなります。
オフィスを賃貸するのに比べてかなりの少額でこれらの設備が利用でき、オフィスを賃貸した場合と遜色なく仕事をこなせることから、シェアオフィスは多くのコンサルタントに利用されています。
Web開発
SEなどWeb開発関連の職種も、フリーランスで働く方が年々増加しており、シェアオフィスやコワーキングスペースの利用者が増えています。SEの場合だと、システムの上流工程を行う仕事なので、プロジェクト期間中はクライアント企業に自席を設けてもらう「出向型・常駐型」で仕事をすることが多いです。
そのため、どこかにオフィスを借りると無駄が生じてしまいます。無駄なく、しかも信頼を損なわない場所にオフィスを構えられる方法が、シェアオフィスやコワーキングスペースを活用することです。
シェアオフィスやコワーキングスペースでは、月額利用だけでなく、スポットといって必要な時間だけの利用も可能です。プロジェクトがない期間だけ、雑務をこなす時間のみといったように、作業が必要な時間だけ利用することができます。
大小さまざまな企業の方や個人事業者の出入りがあるので、同じ施設を利用していると顔見知りや知り合いができることが予想されます。今やどの職種でもIT関連の知識や技術は欠かせないものになっているので、ここでの繋がりから新しい仕事を得るなどのメリットも期待できます。
カウンセリング業
不特定多数の人が集まるシェアオフィスやコワーキングスペースは、カウンセリング業には不向きなイメージがありますが、実際には問題なく使えるため、カウンセリング業のオフィスとして活用している方が数多くいます。
クライアントと会う時間以外は、自分の作業時間なのでオープンな執務スペースで作業し、カウンセリングを行う時間だけ、個室の会議室や打合せスペースを借りて対応します。
シェアオフィスやコワーキングスペースによっては、2名用の個室会議室をカウンセリングスペースとして設けているところもあるため、よりプライベート感のある空間でカウンセリングができます。
会議室の規模や部屋数などは各施設によって違いがあるので、使い方に合ったところを選ぶとよいでしょう。
また、シェアオフィスやコワーキングスペースが、カウンセリング業のオフィスとして使いやすい理由の一つに、クライアントが訪れやすい、明るく清潔感のある空間だということがあります。
シェアオフィスやコワーキングスペースは、比較的新しくできたところが多いため、大きな窓がある採光性の高いデザインや、白を基調にした清潔感ある内装などを取り入れるなど、居心地のよい空間に設計されています。利用者はもちろん、訪問者も気持ちよく過ごせます。
Webデザイナーやライターなど
Webデザイナーやライターなどは、以前からフリーランスで活躍する方が目立ち、自宅をオフィスとした在宅ワーカーや、カフェなどを仕事場にしたノマドワーカーが多かった職種です。
最近では、シェアオフィスやコワーキングスペースを利用する人が増えていますが、その理由はどういったところにあるのでしょうか。
一つ目の理由は、自宅やカフェより集中できる環境であることです。自宅が仕事場だとON/OFFの切替えが難しい、カフェだと雑音が気になる、長時間いづらい場合がある、などのデメリットがありました。その点シェアオフィスやコワーキングスペースなら、オフィスに出勤する感覚で気持ちが切替えられますし、仕事しやすい静かな環境も整っています。
もう一つは、外部との接触があることです。自宅やカフェなどで仕事をしていると、自分のペースで仕事ができる気楽さの反面、クライアント以外との接点が生まれにくいというデメリットもあります。
シェアオフィスやコワーキングスペースにいれば、利用者とのちょっとの会話が気分転換になったり、何気ない会話から新しい発想が生まれるなど、人とのふれあいという刺激が得られるからです。
フォトグラファーやモノづくりのクリエイター
フォトグラファーは、以前は自分のオフィスを構えるのが一般的でした。近年では、昨今の出版不況の影響もあり、オフィスを持つことが金銭的に難しいことからシェアオフィスやコワーキングスペースを活用する方が増えています。
最近では、フォトグラファーや出版関係者向けに、A1サイズなど大判のプリントができるプリンターや、写真を美しくプリントできる高精度なプリンターを設置している施設もあるため、自分で高額なプリンターを購入する必要がないという大きなメリットがあります。
ほかにも、さまざまなジャンルのクリエイターに向け、3Dプリンターやレーザーカッター、電動木彫り機など、モノづくりに特化した設備を備えるなど、これまでのデスクワーク中心のシェアオフィスやコワーキングスペースとは異なる、新しいタイプの施設も誕生しています。
特別な機材や設備を備えた施設では、同業者が集まりやすい傾向があるため自然と横の繋がりができます。同業者同士でコラボレーションして仕事をしたり、新しい仕事が受注できたり、二次発生的なメリットも生まれています。
まとめ
シェアオフィスやコワーキングスペースが、数多くの職種の働き方にマッチすることがお分かりいただけたでしょうか。
特定の業界や職種をターゲットにしたシェアオフィスやコワーキングスペースが登場するなど、シェアオフィスやコワーキングスペース自体が多様化していることから、今後ますます幅広い職種の方の利用が増えていくことが予想されます。
また、企業がリモートワークやテレワークを促進しているため、一般企業の社員の方が利用するケースも増えています。フリーランスや小規模の企業、スタートアップのためのもの、というイメージのあるシェアオフィスやコワーキングスペースですが、利用者の幅も広がっていきそうです。